中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

危機管理・何が必要だったか

前回の「国民よめをさませ」の中で、様々な問題点を指摘されながらも
自民党政権が放置してきた、と書いたが、何を放置していたの?と言う
質問があったので、もう少し詳しく書こう。
 
原発製造メーカーは設計の段階から、どのように効率よく原子燃料を電気に
換えることができるかと言う効率を競ってきた。熱交換率が大きいほど効率よく
電気に換えることが出来る。その上で、周辺設備を含めた総経費をいくらで収めるかで、
電気の原価が決まってくる。
 
電力を提供して儲けようと言うのだから、原価が安い方がもうかるのは当然で、
そのために設備費をなるべく低く抑えたいと思うのも、企業としては当然である。
だがしかし、他の場合と違って原発には「儲けるため」と言うような割り切りが出来ない
要素が多いのだ。
 
何より、原発の安全性は、未だ保障されていない。何が起こるか予測も定かでは
なかったはずだ。そのためには、考えられる事故に備えるために何をしておかなければ
ならなかったかが見えてくるはずなのである。
 
これまで指摘されてきた、大きな問題点は「地震対策」「津波対策」それらによって
引き起こされるだろう「電源確保対策」であった。
地震の場合は、起こりうる地震の規模をどこまで設定するかが問題だったが、原発
の想定は,建設当時には未だ経験していなかった阪神淡路大震災の「震度7」以下
だった。
 
津波の場合の想定は5・5メートルとしていた。(実際には15メートルだったから、
想定外だと、天災をにおわせている)
一番の問題は、電源である。
何度も、いろんなところから指摘されていたようだ。
電源が落ち、冷却装置が止まったら重大事故につながるが、その場合の備えはあるのかと。
原発側は予備電源(ジーゼル発電)の備えがあるから大丈夫と説明している。
 
万一予備電源に呼称があれば、重大事故につながるので、そのための備えが必要ではないかと
追及され、そんな事態にはなりえないと答弁しているし、当時の自民党政権が、そこまで
(予備の予備電源の設置)やる必要はないと、はっきり原発側を支持してきたのだ。
自民党政府は原発会社にお墨付きを与えてきたと言うことである。
今回の原発事故は、冷却装置が長時間に亘って止まったことから起こっている。
各方面から指摘されていたことが、そのままの形で事故が起こってしまったのだ。
電力会社は、予備電源を2系統作る経費を節約したことが、これほど大きな事故を起こす
原因となり、巨額の賠償金を支払う結果になってしまった。
現在、他の原発では、予備電源の充実を大急ぎでやっていることだろうが、他のものとは
違い、経験を積む前に対処してこその危機管理ではないだろうか。