中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

外から日本をみると(医療)

井の中の蛙大海を知らず」ということわざがある。
日本のような島国に住んでいると海外のことが分からないばかりか、
海外から日本がどう見えているのかもわからないものだ。
 
かなり著名な医者になっている人でも「欧米の医療は・・・」という話題に
なると、「日本の医療は劣ってない」と即座に反論される。
留学した経験があると言っても、わずか1年前後の経験で、一つの医療機関
で僅かな経験しかしていないのに、そう言う。
 
私は、15年間外国に住んでいて、身体のあちこちが悪くて、いろんな病院や
クリニックにお世話になった患者としての長く深い経験からいうと、日本の医療が
優れているとは思えない。
医療機器の分野では世界最高峰の我が国も、病院内のシステムの遅れは
アジア諸国の中でも後進国だ。
医師個人の力量が優れていても、システムが遅れていると役に立たないケース
が多いのだが、その点については医師たちは言及しない。
 
国民皆保険制度だけが世界に誇れるシステムだが、専門医制度や医師免許
更新制度などの立ち遅れには目をつむっている。
だから、日本の医師免許があっても欧米はおろか、アジア諸国でも開業が出来ない。
井戸のなかの蛙のように、外が見えないので現状に満足している。
 
NHKTV番組「追跡 A TO Z 」 をご覧になった方も多かろうと思う。
医療システムの崩壊で、医師不足になり、そのために閉鎖を余儀なくされる病院が
相次いでいる。
医師を斡旋する業者にたいして「日給10万円。年間1800万円」を要求し、救急車などが
来なくて、夜勤のない病院を希望するなどと言うとんでもない医者の話が出てくる。
恐ろしい現象だ。
アメリカならば、すべての医師の学歴、職歴がネット公開され、過去に大きな誤診などが
あれば、それも公開されている。
日本の現状と較べて、その違いは大きい。やはり、日本は「井戸の中の蛙さん」なのである。