中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

がん相談を考える

午後から深夜まで、がん相談を受けている。(078-958-8415)
私が会長をしている日本がん楽会(らっかい)のメンバー以外の見知らぬ方からの
相談も多い。
多くは患者本人からだが、患者の家族からのものもある。
様々な相談があり、そう内容はここでは明かせないが、相談を受ける私にとっても
辛い内容が多い。
患者本人からの場合は、医師への不満や不信から来る不安が大きな要素を持っている。
がん拠点病院の医師の対応に不安が増幅し、どこへも持っていけないその不安を私の
ところにぶつけてくる場合が多い。
もちろん、病院への不満を私が解決できるはずもないが、その悩みや不安を共に背負って
あげることで患者の不安は和らぐ。
そう言った心の不安を家族にも打ち明けられない。家族には、すでに散々迷惑を掛けているのに、
これ以上、家族に自分の悩みを知らせて迷惑をかけたくないと相談者は言う。
がんを告知されてから、周囲にも迷惑を掛けてきたことは確かだろう。家族や友人たちも共に
心配してくれただろう。
だから勇気を出してがんと闘ってきたのに、再発や転移がんの身になって、病院からも見放された
ような扱い方をされ、自分の命があと何年なのかという切羽詰まった状態の中で、家族にも
この気持ちを言えない。家族が私を遮断しているわけではない。だけど・・子供たちにも配偶者にも
これ以上辛い思いをさせたくない・・・・・と言う。
がんは、孤独を招く。その孤独に耐える辛さをどう乗り越えることが出来るか。
がん拠点病院という、数少ないがんを専門とする病院とて、患者のその孤独を救う手だてを
持っている病院は少ない。
欧米諸国のがん病院では、多くの専門家をそろえて心のケアに備えているが、日本は後進国
と言わざるを得ない。
日本のがん医療の最高峰と言われる、国立がんセンターでようやく「対面がん相談」が出来るように
なった。
医師、看護師、ソーシャルワーカーが関わって患者の相談に乗ってくれるらしい。欧米なら
当たり前の風景だが、日本では画期的なこととして報道された。
しかし、相談料が1時間2万6千円以上とあって驚いている。