昨夜、娘から電話があり、亭主が腹痛で入院したという。
日曜日の夜から腹痛を訴えていたそうだが、日曜日と言うこともあり、
辛抱していたが、朝方3時ごろになって「もうあかん。辛抱できへんから
病院へ連れて行ってくれ」と言うことになったらしい。
ところが、交通事故の患者がいて厳しい腹痛なのに2時間も待たされた
とのこと。当直医が少ないだろうし、仕方がないとはいえ、運が悪い。
もし緊急を要する病態だったら・・と思うと、恐ろしい。
2時間も待っているうちに痛みが引いてきたころになって診察が始まり
今度は検査の連続で3時間近くかかったという。
「腸閉塞」だといわれたのか、疑いと言われたのか・・・娘もはっきり覚えて
いないという。患者、その家族とは大体そういうもので、しっかり聞いていない
ものなのだ。
胃カメラ検査のために絶食を命じられ、食いしん坊の亭主は「かなわん」と
根を上げていたようである。腸閉塞なのに、なんで胃カメラ?と思っていたようだ。
アニサキスを取り除いたという電話報告だった。
聞いてみると、木曜日の夜にとても新鮮な鯖が手に入ったので酢と塩で〆鯖を
つくり、美味いな~うまいな~と言いながら食べたそうな。
アニサキスが、胃腸を破って侵入しようとする際に猛烈な痛みを伴う。
魚の寄生虫についての知識も必要である。私は豪州での生活が長かったので、
基本的にあちらの生の魚を信用していなかった。
しかし、鮭の場合は、日本よりは安心して食べられたものだ。鮭が産卵のために
川に戻ってきたところを捕獲する漁法もあるが、この場合の鮭はアニサキスが
寄生している場合が多いので要注意である。
豪州の場合は、タスマニアでの養殖(海での)なので安心して食べられる。
公演中、鯖の押し寿司を食べてひどい腹痛をおこし、開腹手術を受けたことで
一躍多くの人々に知られるようになったものだ。
腸閉塞と誤診される場合も多いというから、気を付けよう。
アニサキスについて要点だけを書いておこう。
◆酢でも塩でも死なない。ワサビとかしょうゆとか辛子でももちろん死なない。
◆マイナス20度以上の低温で24時間以上冷凍すると死滅するが、一般家庭の
冷凍庫では死なない。
◆加熱すると大丈夫。
サバなどの規制しているのは幼虫だそうだ。
◆調理するときに内臓などをよく観察すると見つけやすい。調理はなるべく薄く
切ることで、体内へ持ち込むのを防げる場合もある。
◆胃の場合は、胃カメラで取り去ることが可能だが、腸に入ってしまうと、虫が
死ぬまで4~5日痛みをこらえて悶絶するか、回復して取り去るほかないという。