授与すると発表しました。
授賞理由は「彼の小説は、偉大な感情の力をもって、我々の世界とのつながりの感覚が、不確かな
ものでしかないという、底知れない奈落を明らかにした」などとしています。
毎年候補に挙がる村上春樹さんの受賞は見送られたようですが、イシグロさんと村上さんの作品を
読むと、二人はよく似た傾向を持っています。
二人のうち、どちらが選ばれても不思議はないでしょうが、それだけに、今年イシグロさんが選ばれた
と言うことは、こんご村上さんが選ばれる目はなくなったようにも思います。
英国人か日本人か・・で、英国人が選ばれたのでしょうか?? まさかね。
村上春樹さんの小説を数多く読んで、はじめて彼の書きたいことが理解できるようになってきました。
村上さんの小説のどこがいいの・・・と言ってきた私が、もうこれの作品を30冊も読みました。
イデアやメタファーで惑わされる小説が多いのですが、かれは暴力を嫌い、観念の世界を通じて悪を
描いています。村上文学はエンタメ(娯楽)のものではないので心地好い気分にさせるてくれるというもの
ものではありません。どちらかと言えばちょっと気持ち悪い的なものが多い。イシグロ作品にも同じ
ことが言えます。
上っ面を読んでいるのではと思うのです。彼の作品は重すぎるのです。しかし、それを読み易いように
書くことができるのが、かれの力なんでしょうね。イシグロさんが受賞したので、それならどうして村上さん
じゃないの???って思ってしまいました。