本がなければ生きられないというのも病気のようなもの。
しかし、薬にもなってくれます。
3月に突然寝たっきりになってからでも、本を読む事で随分癒やされました。
ずっと、本棚に並んでいる司馬さんの著書の二度読み、3度読み、4度読みを繰り返してきましたが、
思うところあって、「虚像の政商」(上.下)
を買い求めました。上下2冊で千ページの本が送料も含めて600円ほどでした。本は安いものですね。中古ということでしたが、まっさらでした。
最後の解説に、辛口評論家の佐高氏が書かれていますが、「半沢直樹」を書いた池井戸潤氏も書けなかった金融機関の闇を書いている。
闇に踏み込むと作家自身の身に危険が及ぶことを案じて誰も書かないのだが、この作品では小説の形を取りながらも真実に迫っている。と。
銀行名も登場人物も実名ではないが、直ぐに誰かが分かる仮の名前にしてあるので、読みながら名前を置き換えて読んでいます。
例えば、小泉総理が大泉純太郎になっており、竹中平蔵氏が、竹井平之助になっているように、分かりやすい。
銀行のことも、過去の経緯を知っている人ならば、すぐに察しがつく。
この小説に書かれている期間は、私がカナダ、オーストラリアに在住した15年間の国内でのことながら、日本情勢をしっかり読んでいたので、私にも直ぐに分かるドキュメンタリーのようなものだった。
但し、小説の文章はあまりお上手ではない。
だが、年月や会社名、人物名を記してのものだけに迫力は感じられました。
関心のある方には面白い本だと思います。