中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

「麒麟がくる」が、キリンは来ない

  NHK大河ドラマの「麒麟がくる」がっもなく始まる。あの女優の

逮捕によって反って注目を集めることとなったが、それはさておき、

麒麟ってなんなのだ??と、思いませんか?? あのキリンではない

のです。 あのキリンが来るなんて・・ドラマにもならないでしょうが。

麒麟児」という言葉がありますよね、天才児とと言うよりも何もかもに

優れていて将来が期待される少年っていうように思っていますが・・。 

今回の麒麟が来るの麒麟は、優れた人物が来るってことなんでしょうが、

明智光秀ってそんなに麒麟だったのかどうか??  それはともかく、

面白い絵を見つけたので読んで見てください。

  「麒麟」は、本来は空想上の動物のことです。なんでも、全体は鹿の

ようで、牛のような尾と馬のような蹄(ひづめ)を持ち、頭の上に角が

一本、体毛は五色に輝いているそうですから、そんな動物、実在する

わけもありません。 実際、理想的な政治が実現したときのみ現れる「

聖獣」だとされています。
044501とはいえ、いったいだれが見てきたのか、

きちんと絵が残っているのは摩訶不思議。『大漢和辞典』に掲載されて

います。 そんな実在するはずのない聖獣が、突然現れたのだから

たいへんです。時は15世紀の初め、世界史の教科書にも出てくる「鄭和

(ていわ)の南海遠征」によって、阿丹(アラビアのアデン)から持ち

帰られたのです。正史の1つ『明史』の外国伝には、「頸長六尺有二」と

ありますから、この「麒麟」は、我々の知っているキリンと同じものだと

考えていいでしょう。 ここで疑問なのは、伝説の聖獣とは似ても似つかぬ

あのキリンのことを、当時の人はどうして「麒麟」だと思ったのか、という

ことです。その点について、『月刊しにか』2000年11月所収の西江雅之

先生の「“中国・東アフリカ関係”覚え書き」には、次のように書かれています。

 ソマリアのソマリ(Somali)語での”geri”という名称に、中国南方方言での

発音”k’ilin”が類似していたことから、その名が実際の動物に付けられたと

する説が一般的であるが、その信憑性は明らかではない。

 確かに、”geri”と”k’ilin”とでは、どう発音するのか私は知りませんが、

文字面だけからしても、そんなに似ているとは思えません。聖獣を皇帝に

献上すれば、莫大なご褒美をいただけたことでしょう。あるいは欲に目が

くらんだだれかのこじつけだったのかもしれません。そのせいもあってか、

現代中国語では、キリンのことは「麒麟」とは言わず、「長頸鹿」と言う

そうです。
 日本語の「麒麟」は、この鄭和の南海遠征に由来しているようです。

江戸時代の蘭学者の世界では、キリンのことを「麒麟」と書き表していたと

いう記録があります。とすると、かわいそうにキリンさん。中国では早々と

「聖獣」の資格を剥奪されて、日本でだけ尊ばれてきた、ということなので

しょう。キリンさんは「ワタシだって、別に自分から“聖獣”だと言っている

わけではないんですよ……」と、動物園のキリンさんから抗議があるかも。

 世の中・・なかなか面白いね。