もう2か月ほど前になりますが「非結核性抗酸菌症」(NTM)
のことを書きました。肺マック症というのは NTMに属します。
結核菌は抗酸菌に属しますが、非結核性抗酸菌とはおおまかにいうと
結核菌以外の抗酸菌です。MACと言うのは( マイコバクテリウム
アビウム コンプレックス)という菌は、非結核性抗酸菌に属している。
MACが分離される肺MAC症は、非結核性抗酸菌症のおよそ80%を占めて
います。 肺結核は、結核菌が引き起こす病気で人から人に感染しますが
MACは土壌、水、塵埃などの自然環境に広く存在する環境菌で、水系や
土壌などに広く分布しているのです。
浴室が感染源であると証明された症例も存在し、浴室は感染源の一つで
あると考えられています。(あくまでも、可能性です)
またMACは土壌から人への感染を示唆する研究結果が報告されています。
このように、すべてのひとが日常的にMAC菌に触れる機会が多いのですが、
発症するのは一部の人に限られています。ここが注目すべき問題点です。
言い換えれば、この病気になりやすいタイプの人がいるようだと、医療界で
考えられているようです。環境因子のみでは説明出来ず、宿主因子も重要と
考えられるからです。 肺MAC症の罹患率(りかんりつ)は年々増加の傾向に
あると言われていますが、患者発見数が急増したのだろうと、私は思います。
中高年女性が発症する症例の報告が増加しています。
人にもよりますが・・10年前後もかかって、ようやく症状が激しくなり、
病院へ行って発見されるケースが多いのが特徴です。
次のようなことに思い当たる人は、ぜひ信頼できる医療機関に行って
ください。まだまだ、この病気を知らない医師が多いものです。
(1)やせ形のタイプ。特に女性が多い。
(2)食べ物に偏りがある人。(いろんな事情。アレルギーとか、
食べ物への間違った認識、思い込みなど)
(3)軽い咳が、何年も続いて、周囲から、大丈夫?って言われたことが
あるような人。
(4)最近になって、痰がでやすくなった人。
(5)急に痩せてきた人。
(6)歩くときなどに息苦しい人。
過去には、肺がんや肺結核と間違われて治療されてきた病気です。
肺結核や肺がんと似た症状があるのです。(5)(6)は要注意。