オーストラリア南東部ニューサウスウェールズ州(シドニーのある州)
の森林火災は11日早朝になっても64カ所で続き、少なくとも3人の死者が
出ているという。
オーストラリアの森林火災は珍しくなく、毎年騒がれる。どうしてかと言うと、
豪州の森林と言うのはほとんどがユーカリなのだ。ユーカリと言っても種類は
多いが、共通しているのは発火しやすい性質を持っている。空気が乾燥して、
風が強く、葉と葉がこすれ合って発火する。 だから毎年のように山火事が
起こるのだ。あちらでは「ブッシュファイアー」と呼んでいる。私が住んでいた
西豪州のパース辺りは比較的山が少なく、街から遠いので大火事になることは
ないが、それでもブッシュファイアーは夏場にはつきものだ。視界が悪くなる
ほどに燃える。 ゴルフ場などには、ずいぶん昔に燃えただろうユーカリの
大木が、新たな枝を出している風景がたくさん観られる。 再生する力が強い
のもユーカリの持ち味なのだろう。 しかし、大きな森林火災が発生すれば
多くのコアラが死んでしまうので案じられている。2050年までにコアラが
絶滅するのではという説もある。