ふつう10月が神無月(かんなづき)と言われるが旧暦では
いまが神無月なのだ。 ところで神無月とはどういう意味なの?
と訊かれて答えられますか? 実は諸説があって本当のところは
わからないようなのだ。 よく言われるのが「出雲大社に全国の
神々が集まって、村々の神様がいなくなる月」だというものが
知られている。この説を唱えたのが藤原清輔の「奥義抄」らしい。
ところが江戸の国学者である荷谷春満は「雷が鳴らなくなる月」
だと解釈しているようだ。
田辺尚雄教授の「日本音楽講話」では、雅楽の12音階の10月に
当たる「上無(かみむ)」という音階から来た言葉だろうと推測
されている。 私もこの説が面白いとおもうなぜならば、出雲に
日本中の神々が集うはずがないからだ。 出雲と伊勢とは極端な
言い方をすればライバルだったわけだし、出雲に神々があつまる
などと言うのは、たぶん藤原清輔は歴史的な考証しなかったの
ではないかと思ったりしている。