中原武志のブログ

生きていくうえでの様々なことを取り上げます

ノーベル平和賞・対象者ナシでもよかったのではないか

  ノーベル平和賞に選ばれたアビー首相への抗議デモで、これまで

で67人もが死亡している。

 多民族国家エチオピアで、アビー首相に退陣を迫るデモが起き、

治安部隊との衝突で67人が死亡した。デモを行ったのは、首相と

同じ国内の最大民族「オロモ人」で、最近は一部勢力が、首相の

民族融和的な姿勢を批判していた。

アビー首相は、隣国との紛争解決の功績で、2019年のノーベル

平和賞に選ばれているのだが、強権発動を多発していたという

証言もあり、平和賞受賞に疑問が上がっていた。

 今年のノーベル文学賞だが、昨年は内輪の性暴力スキャンダル

により発表を見送ったためで、今年は権威ある賞の名誉回復を

期したのだが、またも激しい非難を浴びている。

 原因は、今年の受賞者にオーストリアの作家、ペーター・ハン

トケ氏(76)を選んだことにある。日本のメディアも「ドイツ語圏

の最もすぐれた作家」「既存の言葉や制度に闘いを挑んでいる」

などと、好意的な紹介にほぼ終始しているが、欧米では、ハントケ

に対して厳しい見方をしている。旧ユーゴスラビア内戦でイスラム

住民7000人以上が殺害された「スレブレニツァの虐殺」(1995年)に

みせた顔であり、2006年、ミロシェビッチ元ユーゴ大統領の葬儀に

参列し、「真実はわからいが、私は彼に寄り添う」などと弔辞を述べた

ことも問題視されている。ミロシェビッチ元大統領はアルバニア系住民

殺害などの「民族浄化」に関わったとされ、国際戦争犯罪法廷で

「人道に対する罪」に問われ公判中に死去している。

 ノーベル賞には、物理学賞、化学賞、生理・医学賞、文学賞、平和賞

の5部門があるが、毎年のようにすっきり世界から評価されないのが文学賞

平和賞だ。多分、選考委員の選び方にも問題があるのかもしれない。

今の時代、平和賞を受賞できるような指導者がいるだろうか。だれもが支持

できるような人を見つける方がむつかしい。いっそのこと、受賞者なしでも

よいのではないか。 文学賞は、選考委員たちの好みもあるが、このたび

問題になったような、過去に政治的な要素を持った人に賞を与えるなどは

選考委員の責任が問われるだろう。文学賞は昨年度分まで二人も選んだのが

間違いのもとだと思う。昨年に引き続き文学賞にケチをつけた感じになった。